Peru

年末年始は、新婚旅行と銘打って、日本の反対側のペルーに行ってきた。

高校の地理の教科書でペルーの鮮やかな民族衣装やティティカカ湖に浮かぶトトラの島の写真を見てから、ずっとずっと行ってみたかった場所。

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12.23.wed

朝9時気仙沼出発。17時成田空港発、同日9時半ロサンゼルス着。

トランジットとは言え14時間もあるので、市内を散策することに。

The California Science Centerにて、スペースシャトルエンデバーを見る。

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25回に渡る宇宙への旅を終えて、2012年にNASAからロサンゼルスまで運ばれたそうだ。5階建てほどの全長があるのに、宇宙を飛ぶ軽さを感じる。圧倒的な存在感。
毛利さんが日本人で始めて宇宙に行ったときに乗ったのも、このエンデバーだ。

アメリカに入国したのは初めてだが、街も建物も人も食べ物も、何もかもがでかい、という印象。ゴミ箱の大きさを半分いや4分の1にすれば、消費量も少しは減るのではないだろうか。

12.24.thu

午前11時、ペルーの首都リマに到着。遅れることもなく、なんともスムーズ。

気仙沼と同じく港町のリマ。魚を使った料理も多い。
セビーチェというお刺身をレモンや香辛料で和えたものや、コリアンダーのライスにシーフードソースをかけたもの、チチャモラーダという紫トウモロコシのジュースも美味◎
(食に貪欲な旦那様のおかげで、以後基本的においしい料理にありつけることになる)

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リマには「天野博物館」というテキスタイルのミュージアムがあり、とても行きたかったのだがクリスマスイブでお休み。泣く泣く断念…
広いリマを歩いて回るのは大変&時差ぼけということもあってMira Busという観光バスに乗ってみることに。

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バスが停まるたびに、赤ちゃんをおんぶしたお母さんや小さな子どもたちが
飴やらお菓子やら水やらはいらないかと近寄ってくる。(格好の獲物なので仕方ないか。)
学生の頃フィリピンのマニラに行ったときに排気ガスの中を歩き回る子ども達の姿に悲しくなったが、リマはそこそこ豊かな感じだ。ごめんね、と言うと笑って手を振ってくれた。

12.25.fri

早朝、宿の近くを散歩。ワカ・プクジャーナという日干しレンガ(Adobe)でできた遺跡まで歩く。Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

乾燥地帯には行ったことがなく、Adobeを近くで見るのは初めて。紀元後〜600年の間につくられて以降現在まで残っているのがすごい。側面はそのままテキスタイルのデザインになりそうだ。

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日射しの強い地域は、街の色合いも鮮やかで楽しい。常楽舎の玄関先ももう少しどうにかしたい。

お昼前、リマ空港から1時間ほどで、JURIACA(フリアカ)に到着。
1時間近く遅れたが、無事に宿の送迎タクシーに乗る。40分ほどかけて、Puno(プーノ)へ!

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雨季まっただ中のはずが、見事な快晴!宿からは美しいティティカカ湖が見えた。
プーノは標高3827m。空が近く、遠くの雲が下に見える。
高山病で少し頭痛がしたので、あまり動き回らず(と言ってもプーノの街は見に行ったけど)次の日に備えて安静に。

12.26.sat

早朝から、ティティカカ湖のツアーに参加。雨の心配をよそに、空には晴れ間が。
港にはたくさんの船と旅行者がいた。

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ティティカカ湖の面積はびわ湖の約12倍(8300km2)、ペルーとボリビアの国境にまたがっている。インカの初代皇帝がティティカカ湖に降り立ったという伝説も残る。

スピードボートに1時間ほど乗り、まずはTaquile(タキーレ)島へ。

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石と土でできた簡素な家と、豊かな植物と畑。

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学校に通う男の子は、歩きながらなんと編み物をしていた。
タキーレ島は織物がさかんで、純粋なケチュア民族が昔から変わらない生活を続けている。

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糸を紡ぐのは女性の仕事。鮮やかな色彩。

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基本的に物々交換なので、観光客への商売はほぼ唯一の現金収入となるようだ。

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島内には車が見あたらなかった。子どももおばあちゃんも、なんでも背負って歩く。
一方で家の屋根にはソーラーパネルがあるところも。まさに自給自足の暮らしだ。

タキーレ島を後にし、Peninsula de Capachica半島内にてランチ。

民家のようなレストランにて、キヌア(穀物)のスープやTrucha(トゥルーチャ)というマスのソテーをいただく。

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机に敷いた布や、壁の土と同じ色をした器も空間に合っている。
キッチンは最低限のシンプルな造りで、家族みんなで料理をしてくれていた。

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美味しい食事をいただいた後、念願のウロス島へ。
ウロス島はトトラという葦草でできた島の総称で、それぞれの島に名前がある。
お邪魔したのはPurimata島という、3家族だけが暮らす小さな小さな島。

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島も船も家も、全てがトトラでできている。おまけに食料にまでなるそうだ。
水に接している部分は腐ってくるので、定期的に何度もトトラを積み上げて島をつくっている。
日焼けして真っ黒の子どもたちが、チョコかチップをちょーだいと言うので、
頭痛薬の説明書を使って折り紙の箱を折ってあげると、これ日本語?と喜んでくれた。(もっといい紙持っていけばよかったと後悔。。)

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生活は簡素だが、ウロス島には多くの観光客が訪れる。おみやげ品はそこそこのお値段だったが、トトラでできた小さな船と魚の絵が入ったお皿を購入。日本に帰るまで割れませんように。

結局、終日晴れのままツアーは無事に終了。夕方宿に戻るなり、夕飯も食べずに朝までぐっすり。トトラの家で暮らす夢を見た。

12.27.sun

お昼頃の飛行機で、インカ帝国の首都、そしてマチュピチュへの入口であるCusco(クスコ)へ。

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クスコの空港から市内まではタクシーで15分ほど。
最初に行き先を告げて値段交渉をする。(ほとんどの運ちゃんはスペイン語しかできない。)タクシーというと、これまたマニラでのいつまでも着かない事件を思い出すが、
ペルーのタクシーは多少ふっかけられてはいても、不安な感じはしなかった。車内では「はじめまして、私たちは日本人です」「おじさんのお名前は?」「出身はクスコですか?」「いいですね」「スペイン語話せるの?」「ウンポコ(少しだけ)」と、つたないスペイン語を並べていると、そのうち運ちゃんも音楽に合わせてノリノリ。あそこに見えるのがカテドラルだ何だとガイドまでしてくれた。

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宿に荷物を置いて、中心市街を散歩。さすがは世界遺産。見事な町並みだ。
インカ時代の石組みが残るロレト通りやサント・ドミンゴ教会(コリカンチャ=太陽の神殿)を見る。

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インカの石組みの精巧さは本当にすごい。まっすぐの直線のようで、少しカーブしていたり不思議な段差があったり。見ていて飽きない。地震で倒れにくいように、壁が内側に少し傾斜しているのもかっこよかった。

夜は少し奮発して(と言っても一人3000円くらい)ペルー料理のビュッフェとフォルクローレのライブが楽しめるレストランへ。

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ケーナやサンポーニャといった民族楽器が欲しくなる。

12.28.mon

早朝、宿からタクシーでPoroy駅に向かう。
天気はまたもや晴れ。雨季はどこへ?

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マチュピチュへ向かうペルーレイルは、Poroy駅から発車する。
駅の中は観光客だらけ。門の外では地元のおばちゃんが水やらレインコートはいらないかと叫んでいる。水が3ソル(約120円)と言うので、それは高いやろと言うと、「あ、バレた?」という感じで笑う。うーん憎めない。
屋台で売ってるキヌアジュースを買ってみる。あったかくて美味しい◎

事前に予約していたチケットで、無事に乗車!時間通りに出発!
クスコは標高3400m、マチュピチュは2400mなので、1000mほど下っていくことになる。窓から見える風景は、どんどん緑が濃くなり、ところどころでインカ時代の名残のアンデネス(段々畑)が見える。

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約3時間後、MachuPicchu駅に到着。
こじんまりとしたかわいい村だ。

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ランチもそこそこに、晴れているうちに見なければと急いでマチュピチュに向かう。
マチュピチュも入場数の制限があるので、日本で予約をしておいた。
日付が違ったりお金が支払われていないとか言われたらどうしようという心配をよそにあっさり入場成功。山道を15分ほど行くと…

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突如、天空都市マチュピチュが姿を表す。
空と雲は目の前。本当に浮いているよう。月並みだけどまるでラピュタ。
造られたのは1450年頃。どうして、どうやってこんなところに都市を築いたのだろう。

石切り場。マチュピチュを造った石(花崗岩)は全てここから切り出された。

石切り場。マチュピチュを造った石(花崗岩)は全てここから切り出された。

屋根にはイチュというイネ科の植物が葺かれていたらしい。

屋根にはイチュというイネ科の植物が葺かれていたらしい。

雨水を逃す水路。至る所にある。

雨水を逃す水路。至る所にある。

ワイナピチュ山(左)を北に、西側に神殿、東側に居住区。

ワイナピチュ山(左)を北に、西側に神殿、東側に居住区。

日時計。かっこいい彫刻。

日時計。かっこいい彫刻。

石組みの影がとても奇麗。

石組みの影がとても奇麗。

水汲み場がたくさんある。

水汲み場がたくさんある。

持ち込んだ水では足りず、インカの恵みの水で生き返る。(お腹は壊しませんでした)

持ち込んだ水では足りず、インカの恵みの水で生き返る旦那ちゃん。(お腹は壊しませんでした)

石がまるで粘土のように加工されている。

石がまるで粘土のように加工されている。

太陽の神殿の階段。

太陽の神殿の階段。

ドアの石組みも見事。

ドアの石組みも見事。

天体観測の石。

ひっそりと修復作業を進めるおじさん。毎日マチュピチュに行けるなんて羨ましい…

ひっそりと修復作業を進めるおじさん。毎日マチュピチュに行けるなんて羨ましい…

たっぷり3時間は堪能した後、夕方マチュピチュ村に戻る。
民芸品市場で、楽器を売る陽気なおじさんと仲良くなる。ケーナの吹き方をみっちり教えてもらい、購入。少し難しいが、コツをつかむといい音が鳴る。

12.29.tue

朝4時半に起床。宿で朝ご飯をいただき、5時半にマチュピチュに向かうバス停へ。
すでにたくさんの人が並んでいて、バスは満員になってはどんどん出発する。

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再度入場に成功。今日こそは雨かと思いきや、むしろ最高の晴れ。朝の光は格別だ。

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昨日は見られなかった遺跡の番人・リャマやアルパカにも会えた。モコモコしてかわいい。

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この日はワイナピチュ山に登る。結構ハードと聞いていたけどそれほどでもなく、
気温もほどよく楽しいトレッキング。(人は多かったけど…)
見たことのない花や木もたくさん。

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1時間ほど登ると…マチュピチュを一望!眼下にはウルバンバ川。バス道のビンガムロードや、インカ道も見える。

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下山後、昨日見逃した遺跡を再度ゆっくり見る。お昼を食べて、マチュピチュを見納め。バスで村に戻る。

帰りの電車までの間、昨日のLuisさん(ケーナのおじさん)のお店を探してうろうろ。
「コンドルは飛んで行く」が吹けるようになったので、なんとしても聞いてもらって、あわよくばセッションしたい。
閉まっている店があったので、向かいのおばちゃんに「ここはケーナを売ってる店?」と尋ねると、スペイン語で「そうだけど、今日は来てないよ」という感じ。
電車ももうすぐだし、会えないかなとあきらめかけたそのとき!おじさん登場!おばちゃんが呼んで来てくれたのだ。
急いで「コンドルは飛んで行く(冒頭のみ)」を披露。
昨日は音を出すのもやっとだったので、「おお!」とびっくりして、Luisさんも吹いてくれた。感動…!!!

15時過ぎのペルーレイルに乗り、また3時間かけてクスコへ。
マチュピチュは観光地だけど、それを超えて想像以上に素晴らしい場所だった。

12.30.wed

朝、気持ちのよい光で目が覚める。どうやら今日も晴れのようだ。
宿から見えるクスコの屋根が素晴らしい。

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世界遺産の街の屋根の上で、ケーナを吹く。気分はラピュタのパズー。
午前中はクスコを散策。市場の方へ行ってみる。

新年に使うと思われるものを売っている

新年に使うと思われるものを売っている

フードコートのメニュー

フードコートのメニュー

トウモロコシはたくさんの種類がある。乾燥させた芋や穀類も多い。

トウモロコシはたくさんの種類がある。乾燥させた芋や穀類も多い。

民族衣装を着たかわいい子!

民族衣装を着たかわいい子!

果物や野菜の種類も豊富。

果物や野菜の種類も豊富。

最後にインカの石組みをもう一度見て、空港へ。
予定よりも1本早い便でリマへ。お願いしていたはず送迎が見つからず、タクシー交渉して(だいぶ慣れてきた)
宿に向かう。周辺を散歩して、翌日のナスカに備えて朝ご飯を調達。いよいよ明日で最終日だ。

12.31.thu

朝5時半、予約していたツアーの迎えが来る。
バスかと思いきや普通のバンで、客は私たちを含めて3人だけ。
日系3世のカルロスさんが、流暢な日本語でガイドをしてくれる。なんとも贅沢なツアーだ。車から見える景色は、初めて見る砂漠。多くの建物は税金を逃れるため建設途中と見せかけてある。

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約4時間後、イカの空港に到着。セスナに乗って、Nasca(ナスカ)の地上絵に向かう!

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地上絵が描かれているのは、人気の全くない大平原。動物、魚、植物、図形、たくさんの線。これら全てが紀元前後〜800年頃に描かれ、現在まで残っている。
大地をキャンバスに、最大300mほどもの大きな絵を、どうやって何のために描いたのか…

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絵の線はわかりにくいものかと思っていたが、どの絵も思った以上にくっきり。
パイロットさんの操縦もとても上手くて、バッチリ見ることができた。カメラをあまり見なかったこともあって、酔うこともなく空港に帰還。1時間ちょっとの、最高のフライトだった。
またバンに乗り、近くのワカチナというオアシスの街へ立ち寄る。美味しいランチをいただいて、夜19時にリマに到着。年明けを空港で迎え、深夜2時の飛行機でペルーを後にする。
ロサンゼルス経由(今度は4時間の乗り継ぎなので大人しく空港で待つことに)で、成田に2日の夕方無事到着。

結局雨は一日も降らず、大きなトラブルもなく、体調も崩さず、最高の旅だった。
こんな贅沢は一生に一度だろう。当分の間、節約の日々が続く。

常楽舎に着いたら、たくさんの年賀状が届いていた。
遅ればせながらナスカの猿の力をお借りして、賀状作成。

2016

今年もよい一年になりますように。